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8/2(金)感動した分、人は成長する

 夏休みの前日、児童に配付した西小新聞に載せた文章を、本ブログにも掲載させていただきます。「学校の教育活動には、さまざまな感動体験があります。例えば、教室で飼っていた青虫が蛹を経て美しい蝶になったとき、自分で育てた植物が花を咲かせたり実を付けたりしたとき、部活動の大会で勝利を得たとき・・・。数え上げればきりがありません。感動の大きさは、そこに至るまでに乗り越えてきた壁の高さに比例するのかもしれません。先ほどの蝶と植物の例で言うと、クラスのみんなで愛情を込めて一生懸命育ててきたからこその感動であり、毎日のように水やりをしたり雑草を抜いたりしたからこその感動だと思うのです。これまで私たち教員は、子どもたちにより大きな感動を味わわせようと、乗り越えるべき壁の高さをどんどん上げていきました。その象徴が、組体操のタワー(ピラミッド)ではないでしょうか。辛い練習を乗り越えて本番で成功したときの感動は、演じる側にとっても観る側にとっても相当大きかったと思います。しかし、乗り越えるべき壁が高くなればなるほど、安全面での問題が生じる場合があります。実際に、巨大なタワー(ピラミッド)をつくったり、火を点けてトーチトワリングを行ったりすることには、かなりの危険が伴います。『過ぎたるは及ばざるが如し』と言うように、感動を重視し過ぎると危険を伴い、安全を重視し過ぎると何もできなくなってしまいます。感動か安全かの二者択一ではありません。西小学校の組体操には、巨大なタワー(ピラミッド)はありませんが、そこには十分な感動があったと確信しています。今後、私たち教員は、安全面に細心の注意を払いながらも、できるだけ大きな感動を味わわせられるよう、知恵を出し合っていく必要があります。現在、学校現場は、働き方改革(多忙化解消・残業時間削減等)や授業時数確保、猛暑対策等の観点から、いろいろな面で重大な決断を迫られています。学校がこれまで行ってきた教育活動には全てに意味があるため、何を残して何を削減・スリム化するのか、本当に悩ましい限りです。今年度、恒例だった持久走大会をなくすという苦渋の決断をしました。また、5年野外活動のトーチトワリングでは火を点けません。しかし、西小教師陣は、それに変わる新たな感動を生み出そうと、一生懸命工夫しています。明日から、長い夏休みが始まります。子どもたちは学校外で数多くの感動体験をすることでしょう。9月に一周り成長した西っ子たちに会えることを楽しみにしています。」